大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(あ)972 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人負担とする。

理 由

弁護人篠原陸朗の上告趣意について

所論第一点は単なる法令違反の主張であるばかりでなく、刑訴三三五条二項の趣

旨は、刑罰法規が、或る特定の事由ある場合には、犯罪としての成立を妨げ又は必

らず刑の加重減免を為すべきものと規定しておる場合の理由となる事実上の主張を

指すものであつて、所論のような事項を指すものではない。次に所論第二点は量刑

不当の主張であつて、以上何れも刑訴四〇五条の適法な上告理由に該当しない。

被告人の上告趣意について。

その一主張の、第一審裁判官が、弁護人のAに対する尋問を抑圧したという事実

は之を認めるに足る証跡がないし、又証人B同Cの尋問は、その申請者である検察

官がその取調請求を拠棄した結果、右各証人の尋問は行われなかつたのであるから

憲法三七条違反の主張は既にその前提を欠くものである。その二は併合後の第一審

第一回公判期日において、裁判官の交迭による公判手続の更新がなされていること

記録上明らかであるから、刑訴三一五条違反の主張も亦その前提を欠くものである。

その三は、再審を請求することができる場合にあたる事由があるというのであつて、

かかる理由は刑訴四〇五条の適法な上告理由とはならず、単に同四一一条(本条四

号)の事由を主張するに止まるものである(そして告訴をしたというだけでは、再

審の理由ともなるものではない)。その四は原審は当該証拠調の請求を、その必要

なしと認めて却下したものであるから、憲法三七条違反の主張はその前提を欠くも

のである(そして、憲法三七条二項の趣旨については、昭和二三年(れ)第二三〇

号、同年七月二九日大法廷判決、判例集二巻九号一〇四五頁以下参照)。その余の

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五乃至八の主張は何れも刑訴四〇五条所定の上告理由に当らない。

また記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められな

い。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和二九年七月一七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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